今後の放射線治療を構成する重要な要素

目次

1:放射線生物学を構成する要素
2:FLASHについて
3:まとめ
4:参考文献

放射線生物学を構成する要素

今回は少し専門的な内容になりますが、今後の放射線治療において重要となるであろう要素について紹介していこうと思います。

癌治療領域は日々、日進月歩であり、つねに新しい治療法が更新されています。

それらが領域を横断する形で複雑に影響しあっているのが癌治療になります。

放射線生物学の基礎事項となるのがいわゆる「4R」になります。

詳細はここでは述べませんが、Repair、Reoxygenation、Repopulation、Redistributionのそれぞれの頭文字をとって4Rと言われています。

この4Rを基礎として、それ以外にもさまざまな要素が複雑に絡み合っているのが放射線生物学です。

その要素として以下のものがあります。

「正常組織」

「分子放射線生物学」

「放射線抵抗性」

「腫瘍免疫」

「物理学」

それぞれの要素で様々な事実、治療法が提案されています。

FLASHについて

新たな治療法の一つとしてFLASHを紹介します。

FLASHとは、超高線量率の放射線を極短時間で照射する方法のことです。

通常の放射線治療で用いる放射線も、CTなどに用いられるものからすると十分に強力ですが、それとは比較にならないほどの高線量を一瞬で照射します。

それにより、腫瘍には十分に治療効果が得られますが、正常組織障害が少なくて済むという夢のような治療法です。

FLASHはまだまだ研究段階の治療であり、まだ実用には至っていませんが、仮に実用化されれば放射線治療を大きく変える可能性のあるものになります。

癌治療の領域では、近年、免疫療法が盛んになってきています。

免疫療法が指す領域も多岐にわたりますが、チェックポイント阻害剤(ICI)を用いた治療はかなり一般的になってきました。

免疫療法と放射線治療の併用についても今後もさらに研究が進んでいくものと思います。

まとめ

放射線治療においては、様々な領域で、新規の研究が行われており、今後の発展に期待されるものも少なくありません。

様々な治療法が複雑に関係しながら、新たな治療方針が模索されていくものと思われます。

参考文献

Tribulations and Trials: The Implementation of Biologically Dependent Radiation Therapy Technologies

Affiliations

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