【放射線治療中の運動】運動しても大丈夫?安全な運動量・注意点を専門医が解説
放射線治療中は「運動してもよいのか」「安静にしていたほうがよいのか」と悩む方が多くいます。
結論から言うと、多くの場合、無理のない範囲での運動はむしろ推奨されます。
適度な運動は
- 体力低下の予防
- 疲労感の軽減
- 気分の改善
- 生活の質(QOL)の維持
に役立つことが、海外の研究でも示されています。
この記事では、放射線腫瘍医の立場から
- 放射線治療中の運動の安全性
- おすすめの運動
- 避けるべき運動
- 運動量の目安
をわかりやすく解説します。
また、放射線治療中の生活全体については、以下の記事でも解説しています。
放射線治療中に運動しても大丈夫?
多くの患者さんでは、軽い〜中等度の運動は問題ありません。
近年のがんリハビリテーションの研究では
- 運動は副作用を軽減する可能性
- 疲労感(Cancer-related fatigue)の改善
- 生活の質(QOL)の改善
が報告されています。
例えば、
- アメリカスポーツ医学会(ACSM)
- ASCO(米国臨床腫瘍学会)
などのガイドラインでは、がん治療中でも運動を推奨しています。
ただし、
- 強い副作用がある場合
- 骨転移がある場合
- 貧血が強い場合
などでは、主治医と相談が必要です。
放射線治療中に運動するメリット
①体力低下を防ぐ
放射線治療中は
- 治療ストレス
- 活動量低下
によって、体力が低下しやすくなります。
軽い運動を続けることで
- 筋力
- 持久力
を維持できます。
②疲労感を軽減する
がん治療中に多い症状の一つが
がん関連疲労(Cancer-related fatigue)
です。
意外に思われるかもしれませんが、
適度な運動は疲労を軽減する効果があります。
多くの研究で
- ウォーキング
- 軽い有酸素運動
が有効とされています。
③気分の改善
運動には
- ストレス軽減
- 不安の軽減
- 睡眠改善
といった効果があります。
治療中は精神的なストレスも大きいため、軽い運動はメンタル面にも良い影響があります。
放射線治療中におすすめの運動
基本は
「軽く息が上がる程度」
の運動です。
おすすめの運動は以下です。
ウォーキング
最も安全でおすすめの運動です。
目安
- 1日20〜30分
- 週3〜5日
から始めましょう。
ストレッチ
体の柔軟性を保つために有効です。
特に
- 首
- 肩
- 背中
- 股関節
のストレッチがおすすめです。
軽い筋トレ
筋力低下を防ぐために有効です。
例
- スクワット
- かかと上げ
- ゴムバンド運動
無理のない範囲で行いましょう。
歩数計
ウォーキングを続けるコツは、歩数を見える化することです。
歩数計を使うと、日々の運動量を簡単に管理できます。
「今日は5000歩歩いた」などの目標を作ることで、無理なく運動習慣を続けやすくなります。
ストレッチ用マット
ストレッチや軽い筋トレを行うときは、ヨガマットがあると安全です。
- 床の硬さを軽減
- 転倒予防
- ストレッチがしやすい
自宅での軽い運動習慣を作るのに役立ちます。
エクササイズバンド
自宅で安全に運動するなら、エクササイズバンド(ゴムバンド)がおすすめです。
軽い負荷で筋トレやストレッチができるため、がん治療中のリハビリや体力維持にも使われています。
- 軽い筋トレ
- ストレッチ
- リハビリ運動
などに使えるため、運動初心者でも安心して始められます。
放射線治療中に注意が必要な運動
以下の運動は注意が必要です。
激しい運動
例
- マラソン
- 高強度トレーニング
- 激しい球技
体力消耗が大きく、治療中はおすすめしません。
転倒リスクがある運動
骨転移がある場合、
- 骨折リスク
があるため注意が必要です。
例
- スキー
- 登山
- 接触スポーツ
照射部位に負担がかかる運動
例えば
胸部照射中
→ 激しい上半身トレーニング
骨盤照射中
→ 強い腹筋運動
などは避けたほうがよい場合があります。
運動を中止すべき症状
以下の症状がある場合は、運動を中止して医師に相談してください。
- 強い倦怠感
- 息切れ
- 胸痛
- めまい
- 発熱
体調を最優先にしましょう。
放射線治療中の運動量の目安
海外ガイドラインでは
週150分程度の中等度運動
が目安とされています。
ただし、治療中は
- 体調
- 副作用
- 年齢
によって個人差があります。
最初は
1日10〜15分のウォーキング
などから始めるのがおすすめです。
放射線治療中の生活について
放射線治療中は、運動以外にも
- 入浴
- 仕事
- 食事
- 旅行
などについて不安がある方が多くいます。
詳しくは以下の記事で解説しています。
▶内部リンク
専門医コメント
放射線治療中は「安静にしていたほうがよい」と思われる方も多いのですが、過度な安静はむしろ体力低下につながることがあります。
最近のがん医療では、適度な運動を続けることが重要と考えられています。
ただし、
- 強い疲労
- 骨転移
- 治療部位
などによって運動内容を調整する必要があります。
無理をせず、「少し動く」ことを習慣にすることが大切です。
不安がある場合は、主治医やリハビリスタッフに相談してください。
まとめ
放射線治療中でも、無理のない範囲の運動は多くの場合安全です。
運動のメリット
- 体力低下の予防
- 疲労軽減
- 気分の改善
おすすめの運動
- ウォーキング
- ストレッチ
- 軽い筋トレ
大切なのは
「無理をしないこと」
体調に合わせて、少しずつ体を動かしましょう。
FAQ(よくある質問)
放射線治療中に運動しても大丈夫ですか?
多くの場合、軽い運動は問題ありません。
ただし副作用や体調によっては制限が必要な場合があります。
放射線治療中にジムに行ってもいいですか?
軽いトレーニングであれば可能な場合もありますが、感染予防や疲労を考えて無理はしないようにしましょう。
放射線治療中にランニングはできますか?
体力が十分であれば可能な場合もありますが、基本的にはウォーキング程度の運動が推奨されます。
運動すると副作用は悪化しますか?
通常の軽い運動で副作用が悪化することはほとんどありません。
むしろ疲労感が改善することがあります。
放射線治療中に筋トレはできますか?
軽い筋トレは可能です。
ただし高負荷トレーニングは避けましょう。
骨転移がある場合は運動できますか?
骨折リスクがあるため、主治医と相談して安全な運動を選ぶ必要があります。
治療中にヨガはできますか?
無理のない範囲のヨガは可能な場合が多く、ストレッチ効果も期待できます。
運動する時間帯はいつがよいですか?
体調がよい時間帯に行うのが理想です。
疲れが強い日は休みましょう。
運動で免疫力は上がりますか?
適度な運動は免疫機能をサポートする可能性があります。
運動できない日はどうすればよいですか?
無理に運動する必要はありません。
体調を優先することが最も重要です。
この記事の執筆者
放射線治療専門医
放射線腫瘍学を専門とし、がんの放射線治療に従事。
患者さんやご家族に向けて、放射線治療の情報を分かりやすく発信しています。






















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