放射線治療の副作用:放射線皮膚炎③

2019年4月1日

 

放射線皮膚炎については新しいページにまとめなおしました。

こちらは古い記事になります。

 

 

前回までは急性期の放射線皮膚炎について書きました。

今回は晩発性(慢性期)の放射線皮膚炎について書いていきます。

 

急性期の放射線皮膚炎では対策や治療法についていろいろと記載しましたが、晩発性の皮膚炎については、じつはあまり有効な治療がありません。これは他の放射線副作用にも共通していることですが、晩発性の副作用というのは急性期のものに比較して治りにくく、有効な手段が少ないことが多いです。

 

放射線の副作用というのは、照射されてからかなり時間がたってから起こってくることもあります。一般的に急性期の副作用というのは放射線治療が終わってから1ヶ月程度であったり、治療開始から3ヶ月程度のような期間で区切られることが多いです。一方で、晩発性の副作用については治療後数年、場合によっては10年以上経過してから起こってくるものもあるので注意が必要です。

 

副作用のリスクについては以下のものがあげられます。

  • 高い線量での治療(一般的に50Gy以上の照射で晩発性皮膚炎のリスクが高くなります)
  • 広い範囲に対しての照射
  • 1日2回以上の照射や1回の線量の多い治療(通常は1日1回、1回2Gyの照射が一般的です)
  • IMRT以外の照射(IMRTは比較的皮膚の線量が低くなります)
  • ボーラスの使用(皮膚癌や乳癌の術後照射でしばしば使用されます)

 

その他のリスクとしては、抗がん剤と放射線治療の併用、皮膚疾患の既往、遺伝的要因、体質等が関与しているといわれます。

 

実際の晩発性皮膚炎の症状は以下のとおりです。

  • 皮膚の色素沈着(あるいは脱色)
  • 皮膚の萎縮、角化
  • 分泌物低下に伴う皮膚乾燥
  • 毛細血管拡張
  • 皮膚の繊維化 など

 

色素沈着は時間の経過とともに徐々に薄れていくことが多いですが、電子線照射を受けた場合には皮膚の変化が強く出やすく、その後も皮膚の色の変化が定着してしまうことが多いです。

放射線治療を受けたあとの皮膚は一般的に、硬くなり、乾燥しやすくなります。

 

晩発性の放射線皮膚炎を予防するのは難しいです。

上で書いたように、IMRTという照射法方は皮膚の線量が低くなりがちなので、皮膚炎が起こりにくいとされています。ただし、IMRTは病気の種類や状態によって選択される治療法なので、皮膚炎の軽減のために行うことは少ないと考えられます。

文献によってはビタミン剤の治療中の摂取が有効であったと報告しているものもあります。

 

 

次回は晩発性皮膚炎の治療について書こうと思います。

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