放射線治療の副作用:放射線皮膚炎②

2019年4月1日

 

放射線皮膚炎については新しいページにまとめなおしました。

こちらは古い記事になります。

 

 

放射線皮膚炎の続きになります。

 

前回は放射線治療における全般的なスキンケアについて書きました。

今回は、実際に急性の放射線皮膚炎が起こった場合の対応について書いていきます。

 

炎症が起こった場合でも、基本は皮膚の清潔と保湿になります。

皮膚表面が汚れていると感染の温床にもなるため、乾燥し過ぎない程度に洗浄等で清潔をこころがけます。

保湿については、臨床ではヒルドイド軟膏やワセリン軟膏等が使用されることが多いです。

保湿をする範囲は症状が出ている部分だけではなく、放射線が照射されている範囲全体になりますので、どのあたりに放射線があたっているのかを確認して、広めに塗布するようにしてください。

 

1段階目の炎症(発赤、紅斑)程度であれば、上記の保湿を継続して行います。

 

2段階目の炎症(発赤の増悪、乾性落屑)になると上記に加えて、ステロイド軟膏の使用を考慮します。

ステロイド軟膏については予防的に投与する場合もあるようですが、効果が十分に確認されているわけではないため、まだ一般的ではありません。

 

3段階目の炎症(広範な湿性落屑)になると、皮膚面がただれて、出血や滲出液が見られるようになります。

この場合には軟膏の塗布だけでは十分ではなく、また滲出液等により衣服も汚れてしまうため、被覆剤の使用が勧められます。臨床的にはモイスキンパッドやメピレックスなどが用いられます。また、アトピーで使われるようなリント布に軟膏を塗布して皮膚を保護する方法も用いられます。

被覆剤で重要なのは、接着力の強いものは避けることです。これは放射線治療中では、被覆剤を貼っていても毎回の治療の際にははがす必要があるため、接着力の強いものを使用していると、はがす際に周囲の皮膚まで一緒にはがれてしまい、より炎症がひどくなってしまうためです。これはその他の絆創膏やテープ固定でも同様で、照射野内の皮膚にこういったもので固定しないように気をつける必要があります。テープで固定する際にはガーゼで覆った上でガーゼに固定するといった対応が必要です。

 

最後に放射線治療が終了したあとの対応についてです。

放射線治療が終わっても治療中の皮膚炎がすぐによくなるというわけではありません。皮膚炎が改善していくまでには2~3週間程度かかるため、皮膚炎が落ち着くまでは、程度に応じて上記の対応を引き続き行っていく必要があります。

そして基本は皮膚の清潔と保湿になりますので、こちらもあわせて継続していきます。

その上で、皮膚炎が落ち着くまでは、締め付けるような服装や化繊は避け、治療部に紫外線が当たらないように注意します。

 

 

次回は晩発性の放射線皮膚炎について書いていこうと思います。

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